個人が看護師に仕事を依頼

施設看護の魅力~小谷洋子

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【施設看護の魅力】        小谷洋子

 

#施設は小さな村のようなもの。

 

私は施設の仕事が好きで誇りを持っている。

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多職種がこんなに連携しやすい場はない。

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よく、”住み慣れた自宅で最後を”

と言われる中、施設に入るのは負け組みたいな感覚なのかもしれない。

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私だって できる事なら 誰にも気を使わないでいられる自宅がいいと思うかもしれない。

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でもそれは元気だから。

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出来るなら最後まで自宅での生活を外部サービスでサポートしたい。

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訪問サービスやデイや小規模を使いながらそれが一番理想。

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でも 自宅で家族がたとえいたとしても、サービスを使い込んでも

どうしても不自由な生活の日々だから、

次の良い暮らしのために”施設”という選択肢なのだと思う。

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もちろん 知らない人ばかりの箱物で決まりなどあり

鬱陶しいと思うだろうし

知らない人との未知の環境は不安が大きい はず。

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自宅で最後まで暮らせなかった敗北感もあるだろう。

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見慣れた我が家を捨てるのは断腸の思いだろう。

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だからこそ 私達施設の職員は そこを第二の我が家と思ってもらえるように、

その人の思いを知ってコーディネイトしていくクリエイティブな仕事だと思っている。

そこにこの仕事の魅力がある。

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たとえばハード面で色々と不自由あるとする。

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介護職員がアスクルやら介護の雑誌や100円ショップやらで

少しでもその人が使いやすいように悪戦苦闘している姿を見る。

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食事もその人の状況を見て、 何が好きでどんな形態なら本人が食べやすいか、 いつも考えながら見ている。

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「お風呂好きじゃないんだよね。」

って、2〜3人の職員が話しながら

「どんな誘い方がいいか?」

「この前はこんな会話でスムーズに入ったよ!」

「時間かなぁ?」

とか 考えてる。

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「娘さんが来ると嬉しそうなんだよね。 もう少し来てもらえたらいいよね。」

「また息子さんと喧嘩したみたいで落ち込んでたよ。」

などなど。

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利用者さんや家族を結びなおそうとしていたり、そんな職員を私は見ている。

それも介護職員だけじゃない。

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往診医  歯科の医師  ケアマネ  リハ職員  看護師  訪問薬剤師も。

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食事が取れないという一つの問題にみんなで日々考えて向かい合ってる。

”自分をわかろうとしてくれる人がいる場所”

それが施設ではないか。

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家族でさえ 長年連れ添った夫でさえ わかろうとしてくれない時もある中、

施設の職員は常に ”この人は”と考えているじゃない。

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確かにまだまだ見方に偏りがあったり 様々な知識不足はあるかもしれない。

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でも みんな その人に向かいあおうとしている姿勢はある。

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もちろん 合う合わないもあるけど 職員の誰かは必ず誰かを思っている。

昔は村というコミュニティで、近所の慣れ親しんだ人がそれとなく訪ねて来たり、

おかずを持って来たり、

醤油を貸してくれたり助け合っていたし、

家族をフォローしてくれていたり 、

死にそうな時だって近所の人が代わる代わる様子を見に来てくれて たり。

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医者は往診が普通の世の中 。

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死んだら みんなで葬儀の手伝いをやっていた。

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今は隣に誰が住んでるかもわからない社会。

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もちろん地域だって一生懸命に動き始めてはいるが、 崩れてしまった昔の日本のコミュニティの再興には至っていない。

施設は小さな村のようなもの。

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自分のことを一生懸命考えてわかろうとしてくれる誰がいるって事が大切なのだと思う。

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最後の最期まで 誰かが自分を見捨てずに思ってくれている中で人生を終えられたら、 施設は良い場所として誇れる。

だからこそ 私達は身体の変化や心の変化、 生きる意義やスピリッチアルまで学ばなければいけない。

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人が自立自律性を保ちつつ最期の時を迎えられるサポートを考えられる力と知識を求められる。

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だから 施設の仕事は奥が深く やり甲斐がある仕事。

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これでいいがない。

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医学の進歩や人の価値観の変化にも対応していくために日々勉強していかなければならないし、

見ている利用者さんの心情や身体も刻々と変化して行く。

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でも 現場の職員は諦めないで 「どうすればいい」を考えている。

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最期のその時まで わかろうとして見つめてくれる誰かがいる施設は孤独な場所ではないはず。

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私達は病院から自宅は無理と言われた方々を引き受けてきた。

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血小板減少症 癌の末期でペインコントロールで麻薬の点滴が必要な方や、

抗がん剤治療中の方で、

もう食べないから後一週間、

なんて方も疾患に関わらず・・。

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そこには医師  薬剤師  看護師  介護師  リハ職  ケアマネ

みんなで知恵と知識を出し合って考えて、少しでもいい暮らしをと連携を取ってきた。

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だから不安は薄れる。

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(私はよく訪問薬剤師さんに仕事のあれこれを相談して来ました。

本当に助けられました。 ありがとうございます?)

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職員も頼れる誰かがいるから心強い。

「施設は今の私の自宅だよ。」

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そう言ってくれて旅立たれた方達がいた。

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「ここで良かった」と言ってくださる家族がいる。

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入居されてる方々にそう思ってもらえて、ここに来た人生を良かったと思ってもらいたい。

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そうなりたいから 私達は日々勉強して考えて、

世界にたった一人のあなた(利用者さん)のために頑張ります!と胸を張りましょう。

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あなたをわかろうと思う一人がいる場所

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大勢じゃないかもしれないけど真剣にあなたをわかろうと思う一人がいる場所

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それが施設の良いところ。

だから施設の仕事は私のやり甲斐なんです。

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そして この想いを拡げていきたい。

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