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第10回「春も体調を崩しやすい?」感染管理に関わるあれこれ

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連載コラム 「感染管理に関わるあれこれ」

第10回 「春も体調崩しやすい?」 榮留富美子

榮留富美子さんによる連載コラム第1回「看護師は感染症にかかりやすい?」はこちら 連載コラム第2回 冬になると感染症が流行する理由」はこちら
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桜のつぼみはまだまだ固いようですが、今日のお散歩では、カンザクラが青空に映えていました。

そして、冷たい風も吹いていました。

春と言えば、「暖かいし、別に病気なんてしないんじゃない?」と思っている人も多いかもしれません。

今回は「春も体調を崩しいやすい?」についてお話します。

 

1.不覚にも・・・

何年ぶり?

何十年ぶりでしょうか?

不覚にも風邪を引いてしまいました。

先日、長男夫婦にあった時、

「お母さんが風邪を引いた姿を初めて見たかもね・・・」と(笑)

最近は、日中ぽかぽか陽気になり過ごしやすくなりましたが、先日、九州に帰省し、朝晩が冷えるこの時期に、風邪予防の対策が足りなかったと反省しています。

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2.体調を崩しやすい理由

・昼間は暖かくても、夜になると急に気温が下がる。

・春は風が強いうえ、花粉も多く、アレルギー症状が出やすい。また、のどを痛めやすい。

・暖かくなるとインフルエンザなどの流行に対して、予防の意識が低くなる。

 

3.春に流行しやすい感染症

冬に流行するインフルエンザは、春になっても流行が続く場合があります。

また、麻しん(はしか)や風しんも流行しやすいです。

(下表参照「春に流行しやすい感染症」)

感染予防対策の基本は、手洗い・うがいです。そして、十分な栄養と睡眠をとることですが、感染症は、自分自身がかからないだけでなく、周りの人にうつさない心遣いが流行を拡大させないことに繋がります。

実際に、春は冬よりもインフルエンザや風邪に対する予防・対策を怠りがちなってしまいます。

今回の私がいい例です。

つまり、感染対策の「手抜き」をしやすい時期でもあります。

 

4.予防と対策

春も、冬と同様の意識で、予防や対策が必要です。

大人は勿論、小さなお子さんも、外遊びが増えます。

砂場や公園で汚れた手には、雑菌やウイルスが残っているので、外出から戻ったら、しっかり手洗いをしましょう。

特に、指と指の間も忘れずに手洗いし、爪を短く切っておくといいでしょう。

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* 少しずつ暖かくなってくると、皆さんの感染対策の意識は薄れてきたりしないでしょうか?

ぜひ、春も感染予防対策を行いましょう。

 

表 「春に流行しやすい感染症」

病 名 風 疹 麻 疹 流行性耳下腺炎

(ムンプス)

俗 称 3日はしか はしか おたふく風邪
症 状 発熱、発疹(額や顔から全身に広がる)、耳の後ろのリンパ節が腫れる 発熱、鼻汁、目やに、全身の発疹、口の内の白い発疹(コプリック斑という) 耳の下(耳下腺)や顎の下(顎下腺)がぷっくりと腫れる、頭痛、発熱
感染経路 飛沫感染、接触感染 空気感染、飛沫感染、接触感染 飛沫感染、接触感染
潜伏期間 4~21 日 10~12 日 14~24 日
学校保健法が定める

出席停止期間

発疹が消えるまで 熱が下がって3日を経過するまで 耳下・顎下の腫れが出てから5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで
合併症 髄膜炎、突発性血小板減少性紫斑病 肺炎、髄膜炎、脳炎 精巣炎・卵 巣炎、髄膜炎、聴力障害

 

榮留 富美子(えいどめ ふみこ) 

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・プロフィール・長崎県大村市出身。2016年3月、陸上自衛隊を定年退職。2016年4月、EIDOME Consulting 開業。自衛隊中央病院高等看護学院卒業後、陸上自衛隊の看護師として、臨床現場、看護教育、部隊カウンセラーとして勤務。特に、感染管理認定看護師取得後は、自衛隊中央病院において専従として感染制御活動に携わる。

現在は、これまで培ってきた知識や技術を活かし、企業とコンサルティング契約、また、日本環境感染学会教育委員としての活動やフィットテスト研究会、感染管理認定看護師課程等において感染管理や労働安全衛生の非常勤講師として活動している。

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