第32回「症状が出ないインフルエンザ」

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連載コラム 「感染管理に関わるあれこれ」

 

第32回 「症状が出ないインフエルエンザ」 榮留富美子

 

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皆さんは「インフルエンザ」に罹ったことがありますか?

私の夫は「ない!」と断言するでしょう。

実は病院が大嫌いの夫、
過去に風邪かなと思っても、
薬局で買った風邪薬を飲んで・・・という感じです。

つまり、病院での診断を受けてないのです。

さすがに咳やくしゃみの時には
マスクは付けて感染拡大にならないようにしていました。

息子たちはインフルエンザに罹っています。

小さい頃は診察のみで検査をしていないので、
正直、インフルエンザがどうかは不明です(迅速検査キットがありませんでした)が、
次男は2歳くらいの時、高熱での異常行動がありました。

家の中を走りまわり、慌てて抱っこしたら、
抱っこした私の目を猫が爪とぎするような行動、
今だから笑える行動です。

息子が猫になった~(笑)

さて、毎年、冬になると流行するインフルエンザ、
もう少しすると電車の中も、マスクの人が大勢になりますよね。

インフルエンザと聞くと、高い感染力や
発症すると高熱や全身症状が現れることでも知られていますが、
そんなインフルエンザですが、実は感染していても発症しない人がいます。

今回は「症状が出ないインフルエンザ」についてお話します。

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1.症状が出ないインフルエンザとは?

 

インフルエンザは、感染すると、
発症1日前から発症後7日後までの間が感染する力があると言われ、
発症後24~48時間が飛沫内のウイルス量が一番多い期間です。

インフルエンザを発症した人の咳やくしゃみの中のウイルスを吸い込んで感染しますが、
実は、感染しても発症しない人がいます。

このような人を不顕性感染と言い
症状が出ないインフルエンザに罹患しています。

不顕性感染のインフルエンザは、
ウイルスが体内に侵入して感染が成立しているのにも関わらず、症状が出てこない状態で、
体内でウイルスが増えても、臨床的に確認できる症状がほとんどありません。

あったとしても、軽い鼻水程度で、
感染していてもンフルエンザになっている自覚がないため、
本人はインフルエンザに感染していることに気づかないまま治ってしまいます。

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2.「症状が出ないインフルエンザ」からの感染

 

不顕性感染(症状が出ない)インフルエンザに感染しても
症状が出ないまま経過してしまうので、
もしかするとマスクも手洗いも不十分の恐れがあります。

この「症状が出ないインフルエンザ」の人は、
気づいていないだけで体内にもインフルエンザウイルスは増殖しています。

つまり、普通の会話をしていてもウイルスが飛び散っているかもしれません。

「鼻がかゆい」などと鼻をこすった手にもインフルエンザウイルスが付着しているかもしれません。

「症状が出ないインフルエンザ」の人との普通の会話だけでなく、
鼻をこすった手で通勤電車の手すりなど周囲の環境を触わり、
また、他の人が「症状が出ないインフルエンザの人」が触れたところを触り、
その手で自分の口や鼻を触ってしまうことで感染します。

感染の連鎖となり、感染拡大に繋がります。

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3.インフルエンザウイルスの増え方

 

 

インフルエンザA型のウイルスは増殖スピードがとてつもなく早いと言われています。

インフルエンザウイルスが体内ののどや気管支、肺に1個入ったとすると、
そのウイルスはわずか8時間で100個ぐらいまで増えると言われています。

さらには、ねずみ算式に増え、24時間後には約100万個にまで増殖します。

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発症した人の咳やくしゃみのしぶきの中には、たっぷりのインフルエンザウイルス・・・

目には見えませんが、飛び散ったインフルエンザウイルスはどこにでも付着します。

例えば、電車のつり革、ドアノブ、階段の手すり…など、
人が手に触れる場所には、ウイルスがウヨウヨかもしれません。

 

 

 4.普段からの感染対策をしましょう

 

普段から免疫力を高めるために栄養バランスのとれた食事を心掛け、
しっかりと休息を取るなど、毎日の生活にも気を遣うようにしましょう。

特に、ストレスをためると免疫力低下の原因にもつながります。

笑いのある日々を過ごせたらいいですね。

それから、①「手洗い」 ②「うがい」 ③「咳エチケット」の感染対策を行いましょう。 

 

 

榮留 富美子(えいどめ ふみこ) 

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・プロフィール・長崎県大村市出身。2016年3月、陸上自衛隊を定年退職。2016年4月、EIDOME Consulting 開業。自衛隊中央病院高等看護学院卒業後、陸上自衛隊の看護師として、臨床現場、看護教育、部隊カウンセラーとして勤務。特に、感染管理認定看護師取得後は、自衛隊中央病院において専従として感染制御活動に携わる。

現在は、これまで培ってきた知識や技術を活かし、企業とコンサルティング契約、また、日本環境感染学会教育委員としての活動やフィットテスト研究会、感染管理認定看護師課程等において感染管理や労働安全衛生の非常勤講師として活動している。

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