連載コラム 「感染管理に関わるあれこれ」
第5回 「すりリンゴ~感染症対策ができる?~」 榮留富美子
風邪を引いた時、みなさんのおうちで「すりリンゴ」が出てきたりしませんでしたか?
私は、前回お話しましたが、母に「すりリンゴ」を食べさせてもらいました。
その「すりリンゴ」は、酸化してうす茶色になっていましたが
とても美味しかった記憶があります。
今回は、リンゴの効能を確認しつつ
「すりリンゴ~感染症対策ができる?~」についてお話します。
1.古くからの言い伝え
「1日1個のりんごは医者を遠ざける(An apple a day keeps the doctor away)」
ということわざがあります。
このことわざは、もともとイギリスのウェールズ地方に古くから伝わることわざだそうです。
毎日、リンゴを食べると健康に過ごせることを意味しています。
2.リンゴの栄養素
リンゴの皮に含まれている「アントシアニン」や
「プロシアニジン」などのポリフェノールは、抗酸化作用により
免疫細胞を活性化させるため、細菌やウイルスに対する免疫力を高めたり、
老化を防いだり、コレステロール値を下げたりする働きがあります。
むくみ解消に良いカリウムや、鉄分、亜鉛、マグネシウムなど様々なミネラルも含んでいます。
ペクチンは、腸内の善玉菌を増やして整腸作用と余分な脂肪や毒素を排出作用がありますし、
酸味の元となるクエン酸やリンゴ酸などの有機酸が含まれており、
これは、疲労の原因となる物質を分解し、疲れた体を回復させてくれます
3.リンゴ「すりおろし」の意味
リンゴをそのまま「生」ではなく、「すりおろし」にして食べる効果を考えてみましょう。
リンゴをすりおろすとリンゴの細胞が破壊され、細胞の中にあった酵素が出てきて、
単に歯で咀嚼するだけよりもずっと多くの酵素が摂取できます。
酵素の効能として、免疫を活性化し炎症を抑え、風邪などの回復が早くなります。
また、ビタミンCも豊富に入っているリンゴですが、
すりおろすとビタミンCが壊れそうで心配になりますが、
なんとリンゴのビタミンCは、すりおろしても、
煮ても焼いても壊れない「酸化型ビタミンC」です。
リンゴ(すりリンゴ)は、感染対策&健康維持、
そして、アンチエイジングにも効果がある
「くだもの」です。母に感謝です(^^)v
リンゴの栄養成分について、カロリーslismのHPを参照しています。 http://calorie.slism.jp/107148/
・プロフィール・長崎県大村市出身。2016年3月、陸上自衛隊を定年退職。2016年4月、EIDOME Consulting 開業。自衛隊中央病院高等看護学院卒業後、陸上自衛隊の看護師として、臨床現場、看護教育、部隊カウンセラーとして勤務。特に、感染管理認定看護師取得後は、自衛隊中央病院において専従として感染制御活動に携わる。
現在は、これまで培ってきた知識や技術を活かし、企業とコンサルティング契約、また、日本環境感染学会教育委員としての活動やフィットテスト研究会、感染管理認定看護師課程等において感染管理や労働安全衛生の非常勤講師として活動している。
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