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第2回 「冬になると感染症が流行する理由」感染管理に関わるあれこれ

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第2回 「冬になると感染症が流行する理由」    榮留富美子

連載コラム第一回「看護師は感染症にかかりやすい?」はこちら
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冬の時期は、インフルエンザやノロウイルスをはじめとする感染性胃腸炎などが流行します。

皆さんのお住まいの流行状況はいかがでしょうか?

今シーズンも例に漏れず、全国各地で流行が拡大しています。

 

今回は、「冬になると感染症が流行する理由」についてお話します。

 

 

1.冬の環境

私たちの身の回りには、目に見えない細菌やウイルス、カビなどが存在しています。

特に、冬は寒く空気が乾燥しているので、ウイルスにとって最適な環境です。

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2.ウイルスの感染力

冬は、夏の暑くてジメジメしている時期より、
長く生存できるようになりウイルスの感染力が強くなります。

空気が乾燥していると、咳やくしゃみの飛沫が小さくなり、
飛沫に含まれたウイルスは遠くまで飛び、
1回の咳では約10万個、くしゃみは約200万個以上のウイルスの量があり、
感染のスピードも速く感染拡大につながります。

 

3.免疫力

人は、冬の寒さのために免疫力も低下し、外気の乾燥のため、
ウイルスの侵入を防ぐ鼻やのどの粘膜が傷み、
ウイルス感染を起こしやすくなります。

第1回で、免疫力アップのNK細胞を活性化できる食品の話をしましたが、
免疫力は20歳頃をピークに何もしなければ下がり続けます。

肉より野菜が大事とする食事は、栄養不足となり、
免疫細胞は十分に作られません。

ぜひ、免疫力アップできるように、栄養や生活リズムなどを見直しましょう。

 

表は、インフルエンザや感染性胃腸炎の流行時期や感染経路などを示しました。

疾患名 流行時期 感染経路 主な症状等
インフルエンザ 11月~2月頃(4月頃) 飛沫感染、接触感染 突然の高熱(38℃以上)、頭痛、筋肉痛、関節痛、倦怠感、咽頭痛、鼻汁、嘔吐、下痢など
感染性胃腸炎 11月~1月(ノロウイルス)

2月~4月(ロタウイルス)

接触感染、飛沫感染

糞口感染

嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、

微熱(ロタウイルス:高熱で乳幼児に多い)など

 

冬に感染症が流行る理由を知ることが感染対策に有効です。

 

下記サイトは、インフルエンザや感染性胃腸炎を始め、
国内外の様々な感染疫学情報がわかります。

(国立感染症研究所 感染症疫学センターHP)  http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html

 

 

榮留 富美子(えいどめ ふみこ) 

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・プロフィール・長崎県大村市出身。2016年3月、陸上自衛隊を定年退職。2016年4月、EIDOME Consulting 開業。自衛隊中央病院高等看護学院卒業後、陸上自衛隊の看護師として、臨床現場、看護教育、部隊カウンセラーとして勤務。特に、感染管理認定看護師取得後は、自衛隊中央病院において専従として感染制御活動に携わる。

現在は、これまで培ってきた知識や技術を活かし、企業とコンサルティング契約、また、日本環境感染学会教育委員としての活動やフィットテスト研究会、感染管理認定看護師課程等において感染管理や労働安全衛生の非常勤講師として活動している。

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1 個のコメント

  • ウィルスがヒトに感染した場合、ヒトの体内は暑くジメジメしています。
    そんな中で大繁殖しているのに、なぜ外気が暑くジメジメした中では繁殖しないのかが知りたかったのに。

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