連載コラム 「感染管理に関わるあれこれ」
第34回 「動いて笑えば・・・免疫力アップ」 榮留富美子
暦を時々気にしてしまう私です。
今年は、立冬 11/7、小雪 11/22、大雪12/7です。
暦を見るだけで寒くなってきました(笑)。
朝起きるのがつらい時期になってきましたし、
北日本の積雪のニュースは寒さを募らせますね。
皆さんは、身体が冷えていると身体が動きづらい感じがしませんか。
私は辛い(笑)
そんな身体を温めるためにもストレッチや体操など大切です。
先日、友人がボランティアとして参加している
介護予防・日常生活支援総合事業の一環として
「住民主体型地域デイサービス事業」を見学してきました。
利用者さんもスタッフの方も、身体を動かしながら、たくさん笑っていました。
そこで私は、たくさんの元気をもらってきました。
今回は、「動いて笑えば、免疫力アップ」についてお話します。
1.身体も心もぽかぽか
住民主体型地域デイサービスとして週1回の集いの場、
運営するのは、地域住民らによるボランティア団体で、
代表もスタッフも私の大先輩です。
その集いの場は、利用者さんたちの健康チェックから始まり、
スタッフの皆さんが知恵をしぼり
プログラミングした歌やゲームなどのレクレーションと
体操と美味しいお昼ご飯のお弁当、
最後はお茶を飲みながらお喋りを楽しみ
笑顔が沢山こぼれます。
利用者さんにとって夢の3時間で、「身体も心もぽかぽか」です。
私が参加した日の様子ですが、
昔ながらのお手玉遊びと転倒防止体操でした。
お手玉遊びは、利用者さんもスタッフの皆さん、
昔取った杵柄で、お世辞抜きにお上手でした。
お手玉のわらべうたも元気に歌って・・・
「あんたがたどこさ」
「一列らんぱん破裂して(日露戦争の歌)」
「一かけ二かけて三かけて・・・」、
母が歌っていたかもしれませんが、
「あんたがたどこさ」以外は、記憶にはないものばかりでした。
利用者さんもスタッフの皆さんも、
歌いながら、笑顔でうっすらと汗を流しています。
そして、休憩のあとは転倒予防体操です。
ひとつひとつ、どこに効果があるかを伝えて、
ひとりひとりの体調やレベルに合わせての
椅子やタオルを使って転倒防止体操です。
ゆっくりですが、まじめに体操すると、
身体の硬さを知りながらじんわりと汗が出てきました。
私も「身体も心もぽかぽか」になりました。
「動いて笑えば、免疫力アップ」に繋がると実感しました。
2.笑いは百薬の長
「笑いは百薬の長」と言いますが、
笑うと免疫力が上がる、
痛みやストレスも感じにくくなると言われています。
ところで皆さんは、NHK朝の連続テレビ小説
「わろてんか」ご覧になっていますか?
実は私、録画して見ています(笑)。
女性興行師の吉本せいさんをはじめ、
当時活躍した芸人・文化人など
さまざまなお笑いのパイオニアたちの人生をヒントにした人々が
過酷な時代をたくましく生き抜く姿を、笑いと涙のオリジナルエピソードです。
ドラマの中で「笑いは人を幸せにする薬」と言っていますが、
笑いの健康効果については、色々な研究がなされています。
ここからは、日経グッディからの内容を参考にしています。細部はこちらをご覧ください。
http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100018/012800009/
「笑いは健康に良い遺伝子のスイッチをオンにする」
興味深い研究がありました。
「20~62歳のがん患者を含む男女19名に
約3時間にわたって漫才や喜劇を鑑賞し、
大いに笑う体験、その前後のNK細胞活性率を調べたところ、
もともとの活性率が低かった人は上昇し、
高すぎた人に関しては低下するという結果が見られました。
つまり、笑いの後には総じて、
NK細胞の活性率が正常に近づくような
調整作用が起ったというものです。」
(出典:Diabetes Care.2003;26:1651-1652. Personalized Medicine Universe.2012;1: 2-6)
3動いて笑えば・・・
動いて: 適度な運動をする
ストレッチ、体操、ウォーキングなどの適度な運動の継続が免疫力を高めます。
朝起きる際に、お布団、ベッドの上でのゆっくりストレッチはお勧めです。
笑えば: 笑い、笑顔、時には作り笑いでもOK
笑いによる脳への刺激が、
神経ペプチドという免疫機能活性化ホルモンの分泌を促し、
このホルモンの影響でNK細胞はたちまち活性化され、
その為、がん細胞やウイルスなどの病気のもとを次々と攻撃するので、
免疫力が高まります。
* 日頃から身体を温め、動いて笑って免疫力アップしましょう。
・プロフィール・長崎県大村市出身。2016年3月、陸上自衛隊を定年退職。2016年4月、EIDOME Consulting 開業。自衛隊中央病院高等看護学院卒業後、陸上自衛隊の看護師として、臨床現場、看護教育、部隊カウンセラーとして勤務。特に、感染管理認定看護師取得後は、自衛隊中央病院において専従として感染制御活動に携わる。
現在は、これまで培ってきた知識や技術を活かし、企業とコンサルティング契約、また、日本環境感染学会教育委員としての活動やフィットテスト研究会、感染管理認定看護師課程等において感染管理や労働安全衛生の非常勤講師として活動している。
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