ドキドキ施設ナース 第13回
#エステ軟膏のその後
私が密かに「エステ軟膏」と呼んでいるこの処置、いきさつはこちらをご覧ください。
「ケチケチせんともっとつけて!」
という度肝を抜かれたそのセリフにも慣れ、
ヒルドイドクリームを2日に1本使い切る勢いにも慣れ、
時間ピッタリに訪室出来なくて「怒られるかしら・・」とビビる事もなくなり、
世間話をする余裕も出来てきました。
このご利用者さんが心情を私に吐露してくださることも出てきました。
私も、この方にご相談したりして教えて頂くこともあります。
人生の大先輩だけあって、そのアドバイスはとっても深いです。
足先の循環不良に対しては、足の指1本1本にガーゼを巻き付けておられたので、
5本指ソックスを提案させて頂きました。
これが気に入って下さって、足先の冷感も随分良くなったようです。
足の指の色も大部良くなりました。
やはり、難しそうに思えたご利用者さんでも、大切なのは人間関係なんだなぁと思います。
毎日、毎日継続して関わることで自然につながりは深くなります。
入居者さんが施設のスタッフを家族のように感じてくれたら、それが入居者さんにとって
最高の終の棲家になるのだと思います。
だから、使用人的な扱いを受けてしまった時は凄く悲しい。
「金はろうてんのやさかいに○○せいや!」
この言葉は今でも苦手です。
東京に比べて、キャラがとっても強烈なこの施設の入居者さんですが、
スタッフの方はあまり差がありません。
単に言葉が違うだけで、価値観などもとっても似ていると思います。
ただ、一般企業が運営している施設なので、1分1秒を大切する姿勢は今までにないものです。
上司は医療従事者じゃなく、一般企業の上司です。
上司からはサービスや効率面、接遇等のお話が毎朝あります。
看護師は、医療という面をベースにしつつ、看護サービスを提供しているという感じです。
ですから、ご利用者さんのご家族も、ご利用者さん同様、お客様として対応します。
これができないと、入居者様やご家族様からクレームが来ることがあります。
「今度来た看護師は何だ!」って。
病院より医療ケアが少ない分、接遇の比重は病院より高くなります。
病院と変わらないのは、ナースコールの数かな?
でも、これはヘルパーさんと連携して受けるものなので、出動回数は病院時代より激減です。
この施設は看取り対応ではないので、調子が悪くなった方は、すぐ入院します。
そして、胃ろうやIVH等の処置が必要になってしまうと戻れません。
・・・そう考えるとここは終の棲家ではないのかもしれない。
一口に「施設」と言っても色々あるんです。
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