連載コラム 「感染管理に関わるあれこれ」
第31回 「ビタミンDは免疫力を高める」 榮留富美子
最近の天候、不安定なお天気ばかりです。
日照不足・・・野菜などにも影響が出ているようですね。
では、人の健康にも影響があるのでしょうか?
私は、なんか元気が出ないなぁ・・私は、そんな時はお散歩をしています。
脳内神経伝達物質「セロトニン」の分泌に日光は大切な役割を担っています。
セロトニンは、日光を浴びることで分泌が増し、精神状態を保ってくれます。
実は、ウエイトコントロールです。
でもお散歩で体重はなかなか減りませんが・・・(笑)
こころの安定にプラスして、感染対策ためにも、
ビタミンDを含む食材を食べることや
日光に当たりビタミンDを体内で作ることが、
免疫力をアップできるとわかりました。
つまり、「ビタミンD」は免疫力を向上させ免疫機能を調整し、
インフルエンザなどの発症率を抑えられると言われています。
前回のコラムで、インフルエンザの流行や予防接種の話をしました。
「ビタミンD」が予防接種を打つ以上かどうかは、個人差があると思いますが・・・
今回は「ビタミンDは免疫力を高める」についてお話します。
1.ビタミンD不足は感染症の原因になることも・・・
今年4月の毎日新聞のニュースからです。
私自身も「ビタミンD」の認識か変わりました。
みなさんはご存知でしたか?「ビタミンD」の効果!
「感染症予防 国際チーム研究、肺炎など発症2割減」
ビタミンDを継続的にとると、
肺炎やインフルエンザなどの感染症の発症を2割減らせることが、
東京慈恵会医科大などの国際共同研究チームの大規模なデータ解析で分かった。
16日に東京都内で開かれる日本小児科学会で発表される。
ビタミンDは日光にあたると体内で作られるほか、食品からもとれる。
また最近、ビタミンDが不足すると、
体を守る免疫細胞が分泌する抗菌物質が減り、
結核菌を増やす成果が報告されるなど、
感染症との関係が注目されている。
研究チームは、ビタミンDの投与と呼吸器の感染症との関係を調べた世界の25の報告(2009~16年)を統合し、0~95歳の約1万1000人のデータを分析した。
この結果、ビタミンDの錠剤を飲んだグループは、
飲んでいないグループに比べ、インフルエンザや気管支炎、肺炎などの
急性の呼吸器感染症の発症が2割少なかった。
特に、血中のビタミンD濃度が欠乏状態にある人では、
ビタミンDを飲んでいたグループは発症が7割少なく、
不足している人に予防効果が高かった。
研究に参加した浦島充佳・同大教授(小児科)によると、
日照時間の短い冬場は血中ビタミンD濃度は夏の半分程度。
浦島教授は「ビタミンD不足が、これらの感染症の原因にもなっているとみられる。
散歩したり、ビタミンDが豊富なサケやイワシなどの食品から補ったりしてほしい」と話す。
(毎日新聞2017年4月13日 東京夕刊)
2.ビタミンDとは?
厚生労働省の『「統合医療」に係る情報発信推進事業』
「統合医療」情報発信サイトからのビタミンDに関する情報です。
http://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/10.html
「ビタミンDとは?その働きは?」
ビタミンDは、いくつかの食品に含まれ、
強い骨を維持するためや健康のために必要な栄養素です。
ビタミンDは、身体が食料品やサプリメントからカルシウム(骨の主要成分のひとつ)を
吸収するのを助けることによって、強い骨を維持します。
ビタミンDの摂取が少なすぎる人は、骨が軟化し、細くなり、
脆くなる病気を発症するおそれがあります。
この病気は、小児の場合は「くる病」、成人の場合は「骨軟化症」と呼ばれています。
ビタミンDは、その他多くの意味において身体にとって重要な栄養素です。たとえば、筋肉を動かすため、神経が脳と身体のあらゆる部位との間のメッセージを伝達するため、免疫系が体内に侵入してくる細菌やウイルスを撃退するために不可欠です。
3.ビタミンD
第5回コラム 「すりリンゴ~感染症対策ができる?~」 https://nursemedia.jp/2017/02/07/509/
「すりリンゴの酸化型ビタミンC」の話をしましたが、
それにも負けず劣らずビタミンDも効果的な感染対策アイテムです。
ビタミンDはD2~D7まで6種類あり、
なかでも人にとって重要なのはD2とD3の2つだと言われています。
ビタミンD2は、植物性食品である干しシイタケ、きのこ、海藻類などに、
ビタミンD3は、動物性食品である魚肉(サケ、イワシ)、卵などに含まれています。
いろんな食材を普段から食べて免疫をアップさせましょう。
*ビタミンD・・・ひとつは日光(紫外線)を浴び、
自分自身の体内でビタミンDを作る方法、
もうひとつはビタミンDを含む食品を摂る方法があります。*
*感染対策の基本の「手洗い」「うがい」「咳エチケット」も忘れずに・・・
・プロフィール・長崎県大村市出身。2016年3月、陸上自衛隊を定年退職。2016年4月、EIDOME Consulting 開業。自衛隊中央病院高等看護学院卒業後、陸上自衛隊の看護師として、臨床現場、看護教育、部隊カウンセラーとして勤務。特に、感染管理認定看護師取得後は、自衛隊中央病院において専従として感染制御活動に携わる。
現在は、これまで培ってきた知識や技術を活かし、企業とコンサルティング契約、また、日本環境感染学会教育委員としての活動やフィットテスト研究会、感染管理認定看護師課程等において感染管理や労働安全衛生の非常勤講師として活動している。
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