連載コラム 「感染管理に関わるあれこれ」
第20回 「自分の予防接種歴・・・?」 榮留富美子
ここ数日は暖かい(暑いくらい?)気候です。
バテたりしていませんか?
義父の帯状疱疹、内服の効果もあり徐々に良くなっています。
寝る前に痛み止めを飲んで
「あいた!あいたた!」
と義母を起こすことはなくなったようです(笑)。
「免疫高まれ~!元気になぁれ!」・・・(^^)
足の不自由だった義母は、
毎日がリハビリでお散歩に出かけ、
足取りがしっかりしてきました。
その義母と、4月から勤務先が変わった主人との会話です。
主人「異動や満員電車での通勤(初の片道1時間半)はストレスだよね~」
に対して、
義母「そんなんでストレス感じる?」との発言。
主人は「ストレス感じるよ!」と言い切っていました。
そんな会話を聞いた私は、義母の強さを感じました。
住み慣れた九州を離れて2ヶ月、
ストレスを感じない?
そして、風邪など寄せ付けない、
免疫力の高い「元気の塊」みたいな生活しています。
免疫をつけ感染対策のひとつである予防接種について、
今回は「自分の予防接種歴・・・?」
についてお話します。
1.私の予防接種
私の母子手帳、ほとんど記載がありません(汗)。
お産の直前に母子手帳をもらったような形跡でしたが、
自宅で、お産婆さんに取り上げられ
元気な産声を上げたようなので問題ないと思います。
まあ・・・末っ子4人目の扱いは、
そんなものでしょうか(笑)
私の予防接種欄には、
百日咳、ジフテリア、ポリオ(急性灰白髄炎)、
種痘(天然痘)、BCG(結核)の欄があり、
百日咳の欄には記載がありました。
他は・・・??
あれっと思いつつも、
1960年代はそんな感じだったのでしょうか?
流行性耳下線炎は、
小さい頃にかかった記憶がありますが、
麻疹や水痘は記憶になく、
母の話では、麻疹は兄たちがかかった時に一緒にかかり、
水痘はかかってないことは前コラムのとおりです。
そして、注射の跡でわかるのが種痘です。
この注射の跡は、
直径1㎝くらいのケロイドのような跡がひとつ・・・。
天然痘が根絶されて、
種痘が中止になったのは1976年のことですかから、
この種痘の注射の跡でおおよその年齢がわかります。
小1の時にツ反はしましたが、
BCGは接種していなくて、
お友達のハンコ注射がうらやましかった記憶があります。
私が生後4か月頃に祖父が結核で亡くなったと聞きました。
曝露していたんだと思います。
ここまで、私の予防接種歴は不要ですね(笑)
兎にも角にも、母子手帳を見て
自分の予防接種歴を把握することも大切です。
2.予防接種の歴史
日本の予防接種制度の歴史は下表を見てください。
予防接種法の改正の経緯や変遷が分かると思います。
「任意接種」「定期接種」に分かれていますが、
任意接種は、
「受ける必要がないワクチン」
という意味ではなく、
定期接種と任意接種は法律上の区分であり、
個人の費用負担の有無です。
予防接種でリスクのある感染症を予防できます。
つまり、任意接種を受けないことは、
子どもたちに大きな感染症のリスクを
負わせることになります。
定期接種に移行しているものも増えてきています。
麻疹は、1966年に任意接種の不活化・生ワクチン併用で
1969年に弱毒生ワクチン単独接種の任意となり、
1978年に定期接種となりました。
風疹は、1977年に中学生女子に定期接種になっていますが、
私の1歳年下からの接種で、
看護学校の同級生は受けているのに?
と思った記憶があります。
私は1年予備校に行き1歳年上でした(笑)。
水痘は1987年~2014年9月の間が任意接種で、
2014年9月から定期接種になっています。
医療従事者は当たり前になっているB型肝炎ワクチンは、
2016年10月1日より生後1歳に至たるまでの間に
乳児に対して3回接種することになりました。
医学書院 週刊医学界新聞 第3058号 2014年1月6日 【グラフ解説】
過去・現在・未来で読み解く,日本の予防接種制度
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03058_02
日本の予防接種制度の主な歴史
*鮮明な画像をご覧になるには、上記リンクをクリックしてください。
*母子手帳の予防接種歴を確認し、
下記の必要な予防接種のスケジュールを確認しましょう。
国立感染症研究所HPの「日本の予防接種スケジュール」
https://www.niid.go.jp/niid/images/vaccine/schedule/2016/JP20161001.png
・プロフィール・長崎県大村市出身。2016年3月、陸上自衛隊を定年退職。2016年4月、EIDOME Consulting 開業。自衛隊中央病院高等看護学院卒業後、陸上自衛隊の看護師として、臨床現場、看護教育、部隊カウンセラーとして勤務。特に、感染管理認定看護師取得後は、自衛隊中央病院において専従として感染制御活動に携わる。
現在は、これまで培ってきた知識や技術を活かし、企業とコンサルティング契約、また、日本環境感染学会教育委員としての活動やフィットテスト研究会、感染管理認定看護師課程等において感染管理や労働安全衛生の非常勤講師として活動している。
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