施設看護師X’ 第3回
#「私の挑戦状!!」
いきなりの言葉にびっくりされた方もいるかもしれませんね。
でも、私には、施設看護師について書かれた、我慢できないサイトがあるのです。
そこには、
「介護施設は看護師の逃げ道」
「介護施設の看護業務は単純」~研修を受ければ介護士でも対応可能なものばかり~
病院やクリニックで働く看護師には体力、精神力、忍耐力、医療知識が必要。
しかし、一変して、介護施設での看護師業務はかなり楽。
等々・・。
(; ・`д・´)
これは、実は介護士さん向けのサイトです。
URLは貼りませんが、これを書いたライターさんと、
それを掲載しているサイトに、色々な思いを感じます。
こんな風に決めつけて書いてしまう事で、
何かいい事が起こるのでしょうか?
介護士さんの仕事を紹介する会社が作成したページでしょうが、
これを読んだ介護士さんは、職場で看護師をどう見るのでしょうか?
果たして、職場でいいチームワークが組めるでしょうか?
職種間の軋轢を生む原因になることはあっても、
この記事を鵜呑みにして働いている介護士さんと良い連携を組むのは、
難しいと思います。
それは、即ち、入所者様にとっての不利益につながりかねない事。
介護の職場をきちんと考える会社なら、
こんな記事は掲載しないと思っています。
私は、10年前の自分だったら、
施設では働けなかったと思っています。
なぜなら、経験も浅く知識も足りない中で、
今のようにこれだけ多くの判断を素早く行うことは難しいからです。
吸引も、経管栄養も、簡単そうに見えるかもしれませんが、
そのバックグラウンドには、多くの知識と技が詰まっています。
簡単そうに見える手技でも、トラブルが起こった時に対処するには
豊富な経験と知識が必要なのです。
薬に関しても、介護士さんから見えない所で、
先生と色々なやり取りをしています。
それは的確な観察力と洞察力を必要とします。
疾患や内服薬、身体・精神の状況と合わせて看ています。
何十人もいる入所者さんの健康をお守りする、
それは、生半可な経験ではできません。
介護施設の仕事と病院の仕事はどっちが楽かなんて、
ちゃんとやってる人から見たら、どっちも大変です。
ただ、介護施設には、経験豊かな看護師が働いている事が多いので、
仕事運びや気持ちにもゆとりがあり、
一見楽そうに見えるのかもしれません。
若い看護師さんでは、介護分野の内容のヘビーさに耐え兼ねて、
職場を去る人も多いのです。
身体的には病院より楽かも知れないけれど、
内容的にはかなり幅広く深くさらに応用知識を要する、
それが施設看護です。
サイトに書かれているように、
介護士さんに対して「看護師が偉そうにしている」、
・・・これは良くない事だと思います。
他職種との連携がうまく出来ていない事、これからの課題です。
看護師が病院から介護分野に移る時に、
その職場の仕事の違いをしっかりと教える所は多くありません。
その結果、病院と介護職場の違いを知らずに働いてしまう・・
これが介護士さんと看護師のすれ違いの原因の一つだと思っています。
”病院より、介護現場の仕事が楽”、そんな気持ちで転職・・・
それは介護現場をなめています。
だから、私は施設看護の大切さを看護師の皆さんに伝えていきたい。
これは、あのサイトへの私からの挑戦状!!
私も有料老人ホームで働く看護師です。
病院で働くのも、施設で働くのもどちらも大変な事です。
病院は治療の場所、施設は生活の場所であり、それぞれ求められる物が違いますよね。
往診も、まずは入居者様の意志、家族の想いを反映させて進めていかないといけませんし、薬1つ変えるにも段階を踏んでいかないと、ご家族様からクレームがきたり、糖尿病の血糖値が悪いからって入院を拒否した入居者様を責められない。
人それぞれの人生の価値観を考えていく、大切な役割があるのだと思います。
私もまだまだ未熟ですが、さすがに10年前だったら怖くて施設では働けなかったと思います。
私自身、クモ膜下出血で入院して初めて人の痛みや孤独を味わいました。
だからこそ、生活の場に求められる安心感を作りたいと思い、日々入居者様に関わらせて頂いています。
こずえ様
コメントを有り難うございます。
同じように施設で働くこずえ様のコメントを
大変うれしい気持ちで読ませて頂きました。
これからも、ブログを通して施設看護の
大切さを書いていきたいと思います。
これからも宜しくお願いいたします!
施設看護師X’