【教科書に載っていない、私達の看護論】
”仕事が遊びで遊びが仕事の看護論” 小池明美
#2『もっと』看護を楽しむための、ナースTHE三種の神器
辛くても頑張れるのは、「好きだから」。
好きなことを継続していけるのは、
「心の中に情熱があるから」。
たとえ今は前が見えにくくなっていたとしても、
情熱の色はほんの少し磨けばまた姿を現します。
心が曇って霞んでいても、
情熱は奥の方にきちんと灯っているものです。
雲の上の太陽のように。
今は疲れ果てて余裕などなくても、
情熱は小さな種火としてずっと燃えています。
看護師として今、思うことはどんなことですか?
もっと楽しく看護がしたいと思ったら、
心に問いかけて確かめてみるといいかも知れません。
看護大好き看護師たちの、たとえばこんな、『三種の神器』。
■看護が好きという気持ち
看護が好きという気持ちを確かめるために、
時々、自問自答してみましょう。
きっと、
看護のココが好き!
こういうところが最高!
という具合に情熱はたちまち息を吹き返します。
疲れていると、マイナスの気持ちが先に出やすくなりがちですが、
好きという気持ちは何度だって掘り起こすことが出来ます。
心の奥底に大切にしまわれています。
実はこの好きだという気持ちは、
ほかにはない心のエナジーです。
看護を楽しみたい看護師にとって、
看護が好きだという気持ちは最良のエネルギー源です。
だから時にはどんどん掘り起こして、
看護を愛する情熱をメラメラと蘇らせて欲しいと思います。
たとえ楽しめる余裕なんかなくても、
少しでも前向きに進んでいけるように。
■相手を思いやる心
看護の基本的な考え方とは相手を尊重し、
心を込めて接することだと思います。
この、人間味のある「相手を思いやる心」を込めた看護は、
ロボットには決して代わることができません。
人間味のある思考を身につけた私たちが創造するオリジナルの看護は、
どんなプログラミングにも負けません。
なぜなら、心はあらかじめ作られるものではなく、
個人の経験や体験、そして理性や感情を織り交ぜて
その場その場で作り上げられる、超新鮮な産物、
「おくりもの」だからです。
相手を尊重し思いやる心をもって接すると
コミュニケーションは良好に保たれやすいですが、
それだけではありません。
良好な疎通は信頼関係を構築させ、
ワンランク上の「癒し癒される」という相互作用を生みだします。
私は、看護を楽しむためのコツは、
この相互作用に詰め込まれている気がしています。
そしてこの相互作用に気付けるかどうかは、
看護を職とする上での個人的な充実感を握るカギだと思います。
これは、看護でしか味わえない特別な醍醐味だと私は思っています。
そう言い切れるくらい、これは一度味わうとかなりクセになる感覚です。
■問題意識
問題意識といっても、業務上の堅苦しいものではありません。
これは、個人個人の中に生まれる小さな疑問符のことです。
たとえば目の前に対象者がいたらまず、
どうしたら苦痛を除去できる?
安全が保てる?
安心できる?
笑ってくれる?
…と、まるで3歳児のように「なぜなに」を繰り返して考えることです。
看護が大好きで、それが身体に染みついてしまう人たちは、
無意識に考え、いつの間にか行動しています。
この流れの初期段階がこの「問題意識」の部分です。
このように看護の考え方とは、
対象者の身体と心の安寧が常に良好に保たれるよう、
常に「なぜなに」「どうやって」を
グルグル繰り返し続けることなのではないしょうか。
状況や状態、心模様は刻一刻と変化し続けていくものです。
その多様性に順応し、適切な看護を
「おくりもの」としてそっと差し出せることが理想だと思いませんか?
看護が好きという気持ちも、
楽しむという感覚も全く分からない・
そんな余裕がなくても構わないのです。
行動そのものに籠められた「ここにしかない価値」が相手に伝われば、
それは立派な看護大好き看護師からの「おくりもの」なのです。
三種の神器は全ての看護大好き看護師さんの心の中に息づいています。
・プロフィール・ 高卒後4年間社会人として働いてから、看護師を志す。資格取得後は精神科に就職。その間もなく幼なじみが鬱で自殺したことをきっかけに精神科看護を極めたいと思い、翌年高看へ進学し正看護師の免許を取得。その後は精神科病棟で常勤看護師として慢性期、急性期、スーパー救急などに計14年従事する。現場で看護師として働く中で、対象者の心身のケアだけでなくケアする側の医療従事者、特に対象者との距離が近い私たち看護師のストレスケアにはもっと力を注ぐ必要があるのではないかと感じるようになり、看護師のストレスケア、ストレスマネジメントの分野の開拓を志す。現在は常勤勤務からは退き、フリーランスで看護師をしながらやりたいことを実現させるために日々、模索&邁進中。 開催講座: 良質な看護を提供するためのストレスケアのススメ
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