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第17回 「麻しん(はしか)かなと思ったら・・・」感染管理に関わるあれこれ

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連載コラム 「感染管理に関わるあれこれ」

第17回 「麻しん(はしか)かなと思ったら・・・」 榮留富美子

榮留富美子さんによる連載コラム第1回「看護師は感染症にかかりやすい?」はこちら 連載コラム第2回 冬になると感染症が流行する理由」はこちら

 

ゴールデンウィークに突入しました。

先日、約2か月の入院生活を終え、義父が退院しました。

本当に、A病院の先生はじめ看護師の皆さまには良くして頂き、本当にお世話になりました。

まだまだ通院でもお世話になり続けていますが・・・。

実は、義父は生まれて初めての入院でした。

しかも、宮崎から出てきて、見知らぬ土地の東京の地での入院です。

義父でなくても戸惑うことが多いと思いますが、九州の言葉で対応して下さる方々もいでくださり・・・義父は外国人か?(笑)、わたし的には、義母は外国人かも(笑)

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昨年から全国各地で流行している「はしか(麻疹)」。

今年も、海外渡航者を通じて感染が広がっています。

海外旅行に出掛ける人が増えるゴールデンウィークのこの時期に注意喚起として、

今回は、「麻しん(はしか)と思ったら・・・」についてお話します。

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1.麻しん(はしか)とは

麻しんは、麻しんウイルス(Paramyxovirus 科 Morbillivirus属)の空気感染、飛沫感染、接触感染によって人から人へ感染します。

感染力が極めて強く、免疫がない集団(抗体を持たない人)の中に、

1人の麻しん(はしか)を発症した人がいたとすると12~14人が感染すると言われています。

因みに、インフルエンザでは1~2人です。

また、不顕性感染(感染はしても発症しない=症状がでない)はほとんどなく、感染した90%以上の人が発症します。

昨年夏の関西国際空港での流行、今年3月の山形県の自動車教習所を中心に流行など、

インドネシア・バリ島などに渡航歴のある患者が立ち寄った場所で感染を広げています。

現在も金沢でも・・・

国立感染症研究所 IDWR 2017年第14号<注目すべき感染症>麻しん 2017年第1〜14週

http://www.niid.go.jp/niid/ja/id/656-disease-based/ma/measles/idsc/idwr-topic/7235-idwrc-1714.htmlを参考にしてください。

 

2.麻しん(はしか)の症状

麻しん(はしか)にかかると39~40℃の高熱と発疹が見られ、

時には肺炎・中耳炎・気管支炎・脳炎などの合併症を起こし死亡(1000人発症すると1人死亡)することもあります。

初期の症状は風邪に似ており、診断が遅れると感染を広げやすいので、

感染拡大防止のために、麻疹が疑われる症状がある場合には、早めに医療機関に電話をしてから受診してください。

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≪なぜ、電話?と思われた方へ≫

感染力が強い空気・飛沫・接触感染する麻しん(はしか)のウイルスの直径は100~250nmと小さく空気中を浮遊するため、一般的なマスクでは予防できません。

麻しん(はしか)の患者さんに対応する医療機関のスタッフは、フィルターの性能が優れているN95マスクを装着します。

そして、N95マスクの装着にあたっては、マスクと顔のすき間からウイルスが侵入しますので“フィット”がとても大切です。

つまり、不用意に医療機関へ受診すると感染拡大に繋がりますので、まずは医療機関に電話をして、医師等の指示に従ってください。

 

3.予防接種

かつては小児のうちに麻しん(はしか)に感染し自然に免疫を獲得するのが通常でしたが、麻しんワクチンの接種率の上昇で自然に感染する人は少なくなってきています。

予防接種が最も有効な予防法です。

麻しん(はしか)の患者さんに接触した場合、72時間以内に麻しんワクチンの接種をすることや

接触後5、6日以内であれば、γ-グロブリンの注射で発症を抑えることができる場合がありますが、

安易にとれる方法ではありませんので、かかりつけの医師とご相談ください。

また、麻しん(はしか)はご存じのように、子どもだけの感染症ではありません。

定期接種の対象者だけではなく、医療・教育関係者や海外渡航を計画して方々、

麻しん(はしか)の罹患歴や予防接種歴が明らかでない人は予防接種をご検討ください。

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厚生労働省 平成28年11月 【お知らせ】麻しん(はしか)は ワクチン接種が予防に有効です!

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/dl/leaf.pdfを参照してください。

 

*麻しん(はしか)は、自分自身がかからないだけでなく、周りの人にうつさない心遣いも感染拡大させないことに繋がります。

 

榮留 富美子(えいどめ ふみこ) 

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・プロフィール・長崎県大村市出身。2016年3月、陸上自衛隊を定年退職。2016年4月、EIDOME Consulting 開業。自衛隊中央病院高等看護学院卒業後、陸上自衛隊の看護師として、臨床現場、看護教育、部隊カウンセラーとして勤務。特に、感染管理認定看護師取得後は、自衛隊中央病院において専従として感染制御活動に携わる。

現在は、これまで培ってきた知識や技術を活かし、企業とコンサルティング契約、また、日本環境感染学会教育委員としての活動やフィットテスト研究会、感染管理認定看護師課程等において感染管理や労働安全衛生の非常勤講師として活動している。

 

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