連載コラム 「感染管理に関わるあれこれ」
第11回 「人ごみと感染症」 榮留富美子
先週のコラムで、不覚にも風邪を引いてしまったことを話しましたが、治るまでに10日程かかってしまいました。
ご心配おかけしましたが、元気に復活です。
ありがとうございました。
もともとは九州育ちの私、看護学校入学と同時に上京し、あれこれ何十年の関東での生活で対応できる程度の免疫力に変わってしまったのかもしれません。
実は、朝晩冷える九州での生活をしていた義母との生活が2週間経ち、今更ながら嫁していますが、日々宮崎&鹿児島弁と奮闘中です。
85歳の義母は足が不自由ですが、免疫力が高いのでしょう。
都会の環境に揉まれることなく元気です(笑)
そして、入院中の義父のお見舞いやオフィスに出かける日々、マスクをしていますが人ごみを避けることって難しいと感じました。
今回は「人ごみと感染症」についてお話します。
1.人ごみ
まだまだ朝晩寒いこの時期、「人混みを避けましょう」とよく言われます。
もちろん、厚生労働省のホームページにも書いてあります。
「人ごみ」とはどこでしょうか?
大人は、通勤電車やオフィス、お子さんは、保育園・幼稚園・学校など集団生活の場ですよね。
では、ショッピングモールなど、お買いものをするお客さんが往来するところも人ごみとイメージしているでしょうか?
お買いものをするお客さんは、通路を行き交っていることになりますから、集団生活の場のように、何時間も人と人がずっと一緒にいるという状態ではないので人込みと判断しなくでもいいと思います。
今回、マスクをした私は、日々の電車の中で思ったこと「人ごみを避けることは難しい」ということです。
そして、電車で一緒の車両の周囲の方々は、マスクをしていても嫌な思いをしてなかったかなと反省もしています。
2.寒さと対策
私が小さい頃、「薄着の習慣を身につけて抵抗力を高めましょう」「子どもは風の子」と言われた時代の同級生の男子は、半そで、半ズボンでした。
今回、寒い日に風邪を引いてしまいました。
寒さの強い日に、風邪をひくのはよくあることかもしれません(でもこれは言い訳ですね)。
寒いから風邪をひくのではなく、寒いとウイルスが活性化するため、免疫がさがった身体にはウイルスが入り込みやすく体調を崩してしまいます。
くれぐれも、寒さ対策はしっかりと行いましょう。
3.人ごみでの感染対策
人ごみでは、人が咳をした際に吐き出される病原体が含まれるしぶき(飛沫)を吸ったり、人の鼻水や唾液にさわり、その手でドアノブや手すりを触り、触った手を介して、その病原体が口から入ることでうつります。
麻しんなど、非常に感染しやすい病気、人ごみでは大規模な流行を起こす場合があります。
- 咳エチケットと手洗い、いつでもどこでも大切な感染対策です。
・プロフィール・長崎県大村市出身。2016年3月、陸上自衛隊を定年退職。2016年4月、EIDOME Consulting 開業。自衛隊中央病院高等看護学院卒業後、陸上自衛隊の看護師として、臨床現場、看護教育、部隊カウンセラーとして勤務。特に、感染管理認定看護師取得後は、自衛隊中央病院において専従として感染制御活動に携わる。
現在は、これまで培ってきた知識や技術を活かし、企業とコンサルティング契約、また、日本環境感染学会教育委員としての活動やフィットテスト研究会、感染管理認定看護師課程等において感染管理や労働安全衛生の非常勤講師として活動している。
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