ドキドキ施設ナース 第9回
#施設のデンジャラスゾーン
最近の高齢者施設は、建物、設備、食事、アクティビティ、介護等々 宣伝要素が色々ありますが、
働く側の目線からすると、一番重視すべきはスタッフの質だと思います。
多少設備が古くても、スタッフの優しい介護で心が癒される事は多いと感じます。
逆に、部屋や設備がどんなに良くても、スタッフが良くなければ、そこでの生活は殺伐としたものになってしまいます。
もし自分が入居する時なら、小規模でアットホームな施設がいいなと思うこの頃です。
ここのホームは、豪華な設備がないシンプルな造りです。
まさに必要最小限です。
しかし各居室にはトイレと洗面台があります。
数あるホームの中には、居室にトイレがないタイプもありますが、ここは全居室に完備です。
料金は毎月20万円位~です。なかなかです!
実はこのトイレが、ここのホームで一番の危険個所です。
デンジャラスゾーン!と私達は呼びます。
排泄は人間の基本的欲求であるせいか、入居の皆様は這ってでもトイレに行こうとします。
「トイレに行く時はナースコール押してくださいね」
とスタッフが言っても、遠慮してしまうのか、ご自分で行ってしまう事が多い、多い・・・。
今日もヘルパーさんから連絡です。
「看護師さん、田中さんがトイレで転倒してます!」
「また~!?」
昨日も、おとといも別の方がトイレで転倒して発見されています。
幸い最近は打撲や皮膚剥離程度で済んでいますが、骨折しているケースも多々あります。
・・・部屋にトイレがあるばっかりに・・・ってつい思ってしまいます。
「一人でトイレに行ったらあかん。危ないやろ」
とヘルパーさんが注意します。
「だってトイレに行きたかってん・・・」
というお返事。
・・・これはまた転倒するかな・・・
そんな時に登場するのが各種センサーです。
入居者さんが起き上がった時にアラームが鳴るもの、
ベッド脇の床に足を着いた時に鳴るもの
等、いくつかタイプがあります。
(上手にそのセンサーをすり抜ける方々もいます。)
センサーアラームが鳴ったらスタッフがすぐ駆け付けます。
食後はコールの嵐!
100人以上の入居者数ですから、ヘルパーさんのピッチは鳴りっぱなし。
先日入居の「男性スタッフお断り」のおばあちゃんのコールも鳴っています。
女性職員の手が空かない時は、仕方なく男性職員が駆け付けますが、やっぱり、
「男の人はいらんで!間違いが起こったらあかんから!」
と突っぱねます。
しかし、この方も入居3日目にトイレに行こうとして転倒して頭を打ちました。
便利だけれど、その反面リスクも伴う、それが居室のトイレです。
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