「はい、○○クリニックでございます。如何されましたか?」こんなセリフで電話を取るのが今の私の仕事です。2つ前の職場で徹底的に接遇スキルを教え込まれ、医療はサービス業だと思って働いています。そう思っていると大抵の事は我慢出来るような気がしています。そもそも、私の仕事って何だろう、、、、
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#14初めて先輩になる
健康診断の繁盛期になり、新しく派遣のナースさんが人員補充で来ました。
私の後輩にあたるようです。
今まで私が教わったことをそのまま教える役を仰せつかりました。
出来るかしら?
新しくいらした方は、私よりも10歳位年下の主婦だった方です。
ほぼほぼ私と同じ環境かしら?
と勝手に親しみを感じていましたが、なかなか会話をする時間が取れなかったのです。
なぜなら、初日の申し送りが
”忙しい”
と断られてから一緒に仕事で会うことが少なかったからです。
予定では午前中の採血が混んでくる時間にはシフトに入っている予定だったにも拘わらず、時々見当たらないことがありました。
実際、採血ルームにいると目の前の血管しか目に入っておらず、
「なんだか忙しいなー」
と思いながら仕事をこなしているため気付かなかったのですが、
遅れて来ることが多かったようです。
初めは
犬の病気、
次は
おばさんの血圧が高くて病院に連れて行ったため、
その次は
おじさんが病気、
その後は
犬の病院、
などで時々は午後のみ勤務になったりしていました。
なんだか怪しい雰囲気になってきたところで師長さんの面談になりました。
そのあと、面談の内容などは私たちの知る由もなく、休憩時間の会話でも
「おばさんが、血圧が高いのに病識がないから看護師の私が気を付けているのよー」
とか、
「時々犬の具合が悪くなるのは近所の人に変なものを食べさせられているからだ」
とか話題が尽きませんでした。
でも、一番忙しい時間に助けに入ってもらえない不信感が募りだしたある日、とうとう
【親戚の葬儀で忌引き】
と言ってきたのです。
さすがに師長さんの追及は厳しく、
「会葬のはがきを持参してほしい」
と伝えてきました。
珍しい申し出に驚きましたが、他の事務員の人がその日、街で見かけたと言うのです。
どんな理由でそうなったのかは知りませんが、最初は小さな嘘だったはずです。
しかし回を重ねるごとにそれは大きくなっていき取り返しがつかない事にまでなってしまう、、、、
初めは自分を守ろうとついた嘘。
結局はそれが自分を追い詰めてしまうのです。
人間関係を築くのは素直な心だと思います。
出来ることやそうでないことをちゃんと自分で理解し、それを伝える能力があれば、物事はもっと簡単になると思います。
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