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ドキドキ施設ナース#8「入れ歯がのどに!」

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ドキドキ施設ナース 第8回

夫の転勤のため東京から関西に転居して、派遣看護師として有料老人ホームでで働く事になりました。まだ施設経験は浅いですが、東京のホームとのギャップは大きく、日々学んでいます。第一回のブログはこちら→「ドキドキ施設ナース」 

入れ歯がのどに!

この老人ホームは、規模が大きいので食事のフロアは2か所に分かれています。

上層階の方と下層階の方に分かれますが、看護師の見守りや特別なケアが必要な方は1階フロアで召し上がります。

高齢者にとって食事は大きな楽しみです。

「今日は中華やな。」

「今回はごちそうやん!」

「毎回似たようなもんばっかしやな。」・・・( ´∀` )

しかしその反面、スタッフは大変気を遣います。

そう、「誤嚥」があるからです。

ムセたり、喉に詰まらせたリ、色々な場面で危険な事が起こります。

ここでも食事の前はお口の体操や、口腔マッサージ、座り姿勢の確認等しています。

食事の形態は、一口大、キザミ食や、極キザミ、トロミがけ食、ペースト食、ソフト食、水分のみトロミ等、一人一人に合わせてオーダーしています。

それでも、魚の皮や添え物のシソの葉、レタス等が口に残ったり、喉に引っかかったりするので、配膳時も気を配ります。

食事の時に悩ましいのが入れ歯です。

口を開いてくれない方がいて、入れ歯の取り外しが困難な方がここにもいます。

「イテテッ!」今日もスタッフさんが指をかまれました。

せっかく入れ歯をはめてもすぐ外してしまう方もいます。

「こんなん、いらん!」

スタッフは、「歯医者さんが、した方がええって言っとったよ!」

「息子さんに頼まれてんねん。頼むから今日だけしといてな。」

等、あの手この手ではめさせてもらいます。

しかし、せっかくはめたその入れ歯をテーブルに置いたり、

トレーに置いたり、

食器の中に入れてフタをして入れたり、

食べ残しのおかゆの中に、小さめのブリッジと呼ばれる入れ歯が潜んでいる事もあります。

きれいにテイッシュに包んでゴミのごとく置いてあることも、

カバンの中にしまっている事も。

食事のエプロンにくるんである事もあり、要注意です。

高価な入れ歯は、なくなってしまったらご家族にも連絡して謝罪したり、作成し直したり、大変です。

介護士も看護師も入居者様がどんな入れ歯をしているのか、それが外れやすくないか等日々注意を払います。

これは大変な仕事です。

でも派遣で来て間もない私には、まだ把握できていません。

そんな中事件は起きました。

私が食事介助をしている後ろの方で、

「トレーに入れ歯あるか見て!」

と常勤ナースさんの大きな声が聞こえました。

只事でないその声に私もすぐ駆け付けました。

彼女はすぐ入居者さんを床に寝かせ、口を開けました。

「入れ歯ありません!」と介護士さんからの返事。

速攻で口に手を入れ、のどに引っかかっていると思われる入れ歯を探しています。

私はすぐに救急カートを取りに行きました。

1~2分で戻ってくると、まだ、入れ歯を取れずにいました。

と、その時

「取れた~!!」

血が付いたブリッジ(金具がついている)と呼ばれる入れ歯が出てきました。

入居者さんはぐったりしているものの、レベルは戻ってきています。

「良かった~!!」

しかし、ブリッジの金具でのどが傷ついており、念のため救急車で搬送することになりました。

今回は、食事中に様子がおかしくなった、と介護士から連絡を受けての迅速な対処でした。

もしのどに引っかかった入れ歯が取れなかったら、命に関わっていたかもしれません。

迅速な対応で命は助かったものの、入れ歯は怖い・・・と再認識した一日でした。

 

 

 

 

 

 

 

個人で雇う看護師「ナース家政婦さん」

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