夫の転勤のため東京から関西に転居して、派遣看護師として有料老人ホームでで働く事になりました。まだ施設経験は浅いですが、東京のホームとのギャップは大きく、日々学んでいます。今回は第四回。第一回のブログはこちら→「ドキドキ施設ナース」
勤務初日の午前中は、まず先輩看護師さんの説明を受けながら点眼を回りました。
さて、お次は処置で定番の軟膏塗布からです。
先輩ナースから、
「この方は、10時きっかりに訪室し、両足に丁寧にヒル○○ド軟膏を5分以上かけて塗ってください。」
と、居室の前の廊下でこっそり説明されました。
ヒル○○ドイド軟膏とは、皮膚の保湿剤です。
(きっかりって無理じゃない?軟膏塗布もどんなに頑張っても2分が限界でしょ・・・)
と心で思いつつの入室です。
「○○さん、軟膏を塗りに来ましたよ。こちらは新しい看護師さんの○○さんです」
と先輩ナースは丁寧に挨拶をして私を紹介してくれました。
私も挨拶すると、その方はにこやかな笑顔で挨拶してくれました。(あら、意外と普通。)
しかし、先輩ナースが足浴していたその方の足を丁寧に拭いて、軟膏を手に取ると、
「指の間もきちんと拭いてな!」と指摘がズバッ。
もう一度拭いて、いよいよ軟膏です。
さぁ、ここから5分。
先輩ナースも時計をちらっと見ます。
例の軟膏をチューブから、出して先輩ナースが塗ろうとすると、
「そんなケチってどうすんの!たっぷりつけてぇな!」と、速攻指摘。
(いえいえ、ケチってるんじゃなくて適量・・・)心の中でツッコんでみる私。
先輩ナースは、ピンクのチューブの半分ほどをドバっと出し、足先から塗り始めます。
足の親指から始まり、小指まで1本1本丁寧に・・・
熱い視線を感じながら、反対の足も同じように。
そして足首からふくらはぎへと上がる。
するとすかさず、
「足の指、もっとやって!」
と言われ、また足指のマッサージへ戻る・・・。
先輩ナースの手さばきは、もはやマジエステシャン!
(もはやこれは医療行為ではない!マッサージサービスだ!)
この過程を何度か繰り返してようやく5分を超えたころ、
「はい、もう大丈夫ですか?」
と寛大な先輩ナースが優しく声をかけました。
しかし、
「ケチケチしないでもっとやりいな!タダで入っとんのと違うよ、私は!」
後ろで見ていた私は、聞いたことのないそのセリフに度肝をぬかれてしまいました。
それでも先輩ナースは動じず、冷静に追加軟膏塗布マッサージサービスを行っています。
軟膏は、1本を使い切りました。
そして何事もなかったように先輩ナースは、ご挨拶をして退室されました。
これはもしかして普通レベルの会話?驚く事じゃない?
やっていけるかなぁ・・・と不安が頭をよぎります。
つづく…
*このブログは個人情報保護、職場の守秘義務の観点から、内容を工夫して書かれたものです。
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