第27回 「蚊と感染症」

27-4

連載コラム「感染管理に関わるあれこれ」

 

第27回 「蚊と感染症」 榮留富美子

感染管理認定看護師の榮留富美子さんによる連載コラム

第1回「看護師は感染症にかかりやすい?」はこちら

連載コラム第2回 冬になると感染症が流行する理由」はこちら

27-1

夏は、キャンプ、花火大会、アウトドアやスポーツ、
ガーデニングなど、屋外での楽しい活動が沢山あります。

その屋外で「蚊」は私たちを狙っています。

皆さんは蚊に刺されやすいですか?

蚊に刺されやすい人は
O型とか、体温が高い人、
お子さんや妊婦さん、体臭が強い人など、
様々なことが言われていますが、
蚊の習性として、二酸化炭素の排出が多い人を好むようです。

今回は、耳元でブーンの嫌な蚊「蚊と感染症」についてお話します。

27-2  27-3

1.蚊の一生と活動 

蚊の発生場所ですが、水のある場所です。

それも、あまりきれいではない水のある場所・・・
水たまり、空き缶や放置されたバケツやタイヤとかの雨水などがたまったところです。

発生場所をできるだけなくして、産卵させない対策が必要です。

蚊の一生ですが、産卵すると卵がかえって、
ボウフラになるまでに2~5日、
ボウフラがサナギになるまで7~10日、
サナギは3日ほどで蚊(成虫)になり、
2~3週間で寿命を終えるそうです。

と言うことは、夏に生まれて、卵を産み、
そして死の繰り返し、
寒くなってくる秋ぐらいに生まれた卵は
かえらずにそのまま越冬し、
春になって活動を始めるということです。

蚊は、夏になるとどこにでも出没する感じですよね。

蚊のエネルギー源は糖分で、
普段は花の蜜などを吸って生活しています。

メスだけが産卵のための栄養源として吸血し、
人が出す炭酸ガスや皮膚のニオイ・温度を感知することで
吸血源を探し求めるようです。

そして、その種類により吸血する時間が異なり、
アカイエカは夕方から夜にかけて、
ヒトスジシマカ(通称:ヤブ蚊)は昼から夕方にかけて、
藪や木陰で活動し私たちを狙っています。

そんな時間帯に屋外で活動する時は、
長袖・長ズボンの着用して虫よけを行うといいでしょう。

その厄介な「蚊」は、
病原菌を媒介する事もあるので、
しっかり虫除け対策をしましょう。

27-4

「蚊をなくして安全・安心! -感染症を媒介する蚊の発生防止対策-」 (PDF:1,313KB)

27-8

 

2.蚊媒介感染症

蚊媒介の感染症、記憶に新しい2014年の70年ぶりのデング熱の国内発生がありました。

全数把握対象疾患のうち四類感染症は、日本で発生、
持ち込まれる可能性の高い疾患としては、
ウエストナイル熱、ジカウイルス感染症、
チクングニア熱、デング熱、日本脳炎、マラリアの6疾患があげられます。

これら6疾患の主な特徴は下記の表のとおりです。

27-6

 

 

 

3.虫除け剤の使用

皮膚に使う虫除け剤として
アメリカ合衆国疾病管理予防センター(CDC)が推奨しているものには、
ディート(DEET)、ユーカリ油(レモンユーカリ油)、ピカリジン(イカリジン)があります。

どの製品も添付の注意書を必ず読んで使いましょう。

①一般的には、濃度が高い方が持続時間は長くなりますが、使う状況によって変わります。
汗をかいて虫よけ剤がとれることもあります。

②日焼け止めを同時に使う場合には、一般に日焼け止めを先に使用します。

③小児に虫除け剤を使う場合、必ず大人がつけるようにして下さい。
説明書の注意書きに沿って使ってください。
ディート(DEET)は子どもに使う場合は下記のような注意事項があります。
因みに、ピカリジン(イカリジン)は、子どもにも優しいと2016年から販売されています。

(参考)小児に対する虫除け剤の使用について

・DEET(厚生労働省による通知)

6か月未満の乳児には使用しないこと。

6か月以上2歳未満は、1日1回

2歳以上12歳未満は、1日1~3回

・DEET(CDC、米国小児科学会の推奨に基づく)

2か月未満の乳児には使用しないこと。

小児に使用する場合の濃度は30%以下にすること。

・ユーカリ油(CDC)

3歳未満の小児には使用しないこと。

 

*「蚊を発生させない」「蚊に刺されない」工夫を ⇒ 蚊媒介感染症を予防しましょう。

 

榮留 富美子(えいどめ ふみこ) 

11

・プロフィール・長崎県大村市出身。2016年3月、陸上自衛隊を定年退職。2016年4月、EIDOME Consulting 開業。自衛隊中央病院高等看護学院卒業後、陸上自衛隊の看護師として、臨床現場、看護教育、部隊カウンセラーとして勤務。特に、感染管理認定看護師取得後は、自衛隊中央病院において専従として感染制御活動に携わる。

現在は、これまで培ってきた知識や技術を活かし、企業とコンサルティング契約、また、日本環境感染学会教育委員としての活動やフィットテスト研究会、感染管理認定看護師課程等において感染管理や労働安全衛生の非常勤講師として活動している。

27-4

1 個のコメント

  • 訪問入浴の利用者さんも蚊に刺されている事が良くあります。
    注意して観察したいと思います🚿🛁
    また私たちも汗を凄くかくので蚊が良く来ます
    注意します(*^^*)

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です