訪問看護デビュー第２０回
訪問看護師は、在宅の患者さんのお宅に訪問してケアを行います。 カリメロさんは、一人での訪問にも慣れ、実習指導者も経験し、着実に経験を積み重ねています。 ＃２０ 突然のお別れ 訪問看護師を目指して頑張るカリメロさんのブログです。第一回はこちら→「訪問看護師デビューしました！第一回」
所長がずっと受け持っていた利用者さんを
私が任されるようになった。
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９0代男性、独り暮らし、要介護度3。
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手が不自由。主病歴は糖尿病。
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血糖測定、健康管理、状態観察での訪問看護。
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気さくなおじいさん、って印象。
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体は大きく、見た目は昔の「ホタテマン」の安岡力也さんのような方（笑）
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毎週金曜日30分の訪問。
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私の受け持ちになってから安定していた。
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いつも笑いを交えながらの会話。
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私が焼肉好きだと話すと
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「わしがよくなったら、あんたを焼肉連れてってやろ」
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と言ってくれていた
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ヾ(*ﾟ∀ﾟ)ﾉﾋｬｯﾎｫ-ｩ♪
いつものように訪問し
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「お変わりないですか？」
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と言えば
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「よくないな、胸が締め付けられるように痛いんや」
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と返答。
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いつもなら笑いながら
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「変わりないで」と言うのに…
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熱を測ると37.8℃。
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確かにいつもと違うし、脈もリズムが狂ってる。
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「心筋梗塞の前触れか？」
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と判断。
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ケアマネに連絡し、病院受診を早急にしてもらうよう依頼。
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そしてすぐに入院、心筋梗塞でカテーテルをしたと連絡あった。
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カテーテルは無事に終了し、
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順調な経過で2週間で退院とのこと。
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金曜日の訪問のお楽しみが減った。
それから1ヶ月。
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事務所に入った連絡。
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その方が肺炎で亡くなったと。
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しかも私の息子の誕生日に。
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毎週金曜日たった30分の訪問看護。
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でも毎回お互いに笑顔でいられた時間。
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そして訪問看護若葉マークの私に自信をつけてくれた方。
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心筋梗塞のアセスメントと判断力は間違っていなかったが、
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肺炎で亡くなるとは。
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私に忘れられないよう、
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息子の誕生日に旅立たれたのかな？
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事務所では所長もいたが、私は泣きじゃくってしまった。
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しかし、次の訪問がある。
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涙を拭いて顔も作って次の訪問へ向かう。
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今までありがとうございました。
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ずっと忘れません。
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この経験を活かして次に繋げますから。
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個人で雇う看護師「ナース家政婦さん」
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