第15回「高齢者の中耳炎」

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連載コラム 「感染管理に関わるあれこれ」

第15回 「高齢者の中耳炎」 榮留富美子

榮留富美子さんによる連載コラム第1回「看護師は感染症にかかりやすい?」はこちら 連載コラム第2回 冬になると感染症が流行する理由」はこちら
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4月も中旬、今年の桜、雨にも寒さにも負けない桜を長く楽しめています。

桜前線・・・私も桜が観れる温泉に行きたいと思う今日この頃です。

またまた、義母の話で恐縮ですが、実は話題が尽きません(笑)。

3月に上京した義母、耳が遠く3月中旬に補聴器を購入しましたが・・・

しかし、義母の言葉は聞き取れず会話が成り立たず、私が難聴かと思ってしまうような状況です(笑)

そんな義母が中耳炎になっていました。

今回は、「高齢者の中耳炎」についてお話します。

 1.難聴と耳垢

九州に帰省して家族の団らん、2~3泊程度、最近は1泊しかしてなかったのもあり、

耳が遠い両親と話をしても 遠くなってるなぁ、と思いつつも、正直あまり気にしていませんでした。

「呼びかけても返事をしない」

「良く聞き返す」

「テレビの音が大きい」

「本人の声も大きい」等・・・耳が遠い人は、こんな感じですよね。

そして、お風呂上りに耳のお掃除をした時に、片方だけたくさんの耳垢が・・・

もしかして耳垢が聞こえない原因?

高いお金を出して補聴器買ったのに・・・(涙)

いやいや・・・そして、耳鼻咽喉科受診、結果「

耳だれがあります。中耳炎です。」

念のために聴力検査をして頂きました。両耳とも補聴器を使うレベルと診断も受け、補聴器は無駄ではありませんでした。

まだまだ、言葉(方言)の壁は大きいです(笑)

2.中耳炎とは

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中耳炎とは、耳の内部にある「中耳」に、風邪を引いたりして細菌やウイルスが入ってしまうことなどが原因です。

鼻の奥から耳につながっている「耳管」から「中耳」に入り込み炎症が起きてしまいます。

実は約83%の人が3歳までに一度は中耳炎にかかると言われ、ほとんどの人が中耳炎を経験していることになります。

子どもは大人よりも中耳炎にかかりやすいと言われます。

それは、耳管の形状の違いで、子どもの耳管は、大人に比べると太くて短いので、鼻から中耳への距離が近く、中耳に細菌が入りやすく、さらに、耳管の傾きが水平に近いことも、細菌が侵入しやすい理由のひとつです。

※2013年小児急性中耳炎診療ガイドライン http://www.jsiao.umin.jp/pdf/caom-guide.pdfを参考にしてください。

 

 3.高齢者の中耳炎

中耳炎は子供の病気と思われがちですが、高齢者にも多いんですね。

高齢者の場合、老化による難聴として放置されていることも多くあります。

中耳炎を放置すると炎症が内耳まで炎症が進むと聴力の回復が難しくなる場合もあるようです。

子どもの中耳炎の場合は強い炎症が起きるので痛みが出ますが、高齢者の中耳炎の場合は痛みがないのが特徴となっています。

義母は診察の時は泣きそうですが、普段を痛くもかゆくもありません。

通常、老化によって起こる耳の変化は両方の耳に起こります。

中耳炎の多くは聴力の回復が見込めるので、早期発見して治療することが大切になります。

*高齢者の場合、聞こえづらいと感じたら、補聴器を買う前に、耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。

 

 

榮留 富美子(えいどめ ふみこ) 

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・プロフィール・長崎県大村市出身。2016年3月、陸上自衛隊を定年退職。2016年4月、EIDOME Consulting 開業。自衛隊中央病院高等看護学院卒業後、陸上自衛隊の看護師として、臨床現場、看護教育、部隊カウンセラーとして勤務。特に、感染管理認定看護師取得後は、自衛隊中央病院において専従として感染制御活動に携わる。

現在は、これまで培ってきた知識や技術を活かし、企業とコンサルティング契約、また、日本環境感染学会教育委員としての活動やフィットテスト研究会、感染管理認定看護師課程等において感染管理や労働安全衛生の非常勤講師として活動している。

 

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1 個のコメント

  • 今回も勉強になりました。難聴がある。と言われよく良く見ると耳垢が溜まってる利用者さんが多いです。

    拭ききれるところは拭きますが、それ以上となった場合、訪看とかと連携を取って、耳鼻科受診をお勧めしたいと思います。

    ありがとうございました

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