個人が看護師に仕事を依頼

今日もなんちゃってナース 第6回

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現在、中規模の病院で勤務中のナースのブログです。看護師5年目。新しい病院に転職して戸惑うことばかり。デキる先輩に叱られたり、落ち込んだり・・・今日はどうなる?

この病院は3階建てです。

入院患者さんはエレベーターを使用しますが、スタッフは階段を使用するように言われています。

カルテや書類の受け渡しは、助手さんに頼むことも多いですが、使い走りは新人の役目と

積極的に行っています。

階段を降りると健康にいいホルモンが出るそうなので、降りる時は良いのだけれど、

昇りはキツイ!

1階は外来です。

ちょっと慣れてきて気が付いたことがあります。

患者さんが少ない・・・。

水・金曜日だけは混んでいるのですが、他の曜日はがらーんとしています。

その日は大学病院から来ている先生が外来をしています。

ちょっと気になります。

でも、病棟はそこそこベッドが埋まっています。

内訳は、長く入院している高齢者と救急車で運ばれてきた患者さんです。

 

先日若い男性が運ばれて来ました。

内臓疾患で、半月ほどの入院予定となりました。

その方は外国の方で、日本語がほとんど通じません。

時々通訳の方が来て下さいますが、看護師とは片言の日本語と、片言の英語での会話です。

ある日、その方のお友達が来てみかんを一箱置いていきました。

その後、この若い男性患者さんは同じ部屋の方、5名にみかんを6個ずつ配り始めました。

なんと律儀なこと。そういえば、昔私も見た光景です。ふと昔を思い出しました。

・・・思い出に浸っている場合ではない!

すぐ、先輩看護師に報告に行きました。

「もう!ダメだってのに!」

とスゴんでその部屋に行った先輩。

「気を遣わなくていいんですよ。食べられない方もいますし・・・」

と説明するけど、全く通じていない様子です。

残念ながら英語で説明できる看護師もおらず、ジェスチャーで必死に伝えてみます。

やっと何とか理解してもらった感じでホッとしました。

「いや~、英語は大事ですね。ちゃんと勉強しておけば良かった!」

などと先輩と話して、プチ達成感を味わいつつその日は過ぎました。

ところがその翌日、出勤してびっくり!

あの男性患者がいなくなっているのです。

ええ~っ!

誰も行き先を知りません。

リュック一つだけ残されて姿が見えません。

病院は大騒ぎになりました。

あのミカンは、「お世話になりました」という別れのご挨拶だったのか・・・。

私達だけで事を済ませて、上に報告しなかったばかりにこんな事に・・・。

どうしよう、自殺とかだったら!

昨日の出来事を伝えた後、ハラハラドキドキしながら仕事を続けます。

・・・それから数時間後。

彼が普通に戻ってきました。

何の事はない、彼は食べたいものがあって外出したのでした。

勝手に外出してはいけない事を知らなかったのです。

そして手には、同室患者さんへのお土産のたい焼き。

どんだけ律儀やねん!

昨日の話は全く通じてなかったってことか・・・。

やっぱり英語は大事だわ、先輩!

 

個人で雇う看護師「ナース家政婦さん」

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